サーバントリーダーシップとの出会い
サーバントリーダーシップについて知ろうと思ったきっかけ
ストレングスファインダーの続きでもあるのだが、その診断結果の中の「信念」の項目の特徴を解説する文の中に、その資質を持つ人はサーバントリーダーである、というようなことを前提とするような記述があった。
そういえば大学院時代にリーダーシップ論の授業を受けたときに、教授がちらっとサーバントリーダーシップというものについて触れていたっけ、と思い出し、気になったのでいくつか書籍をあたることにした。
サーバントリーダーシップを理解するのにわかりやすい書籍
購入したのは、
- 「サーバント・リーダー 「権力」ではない。「権威」を求めよ」
- 「奉仕するリーダーが成果を上げる! サーバント・リーダーシップ実践講座」
の2冊。
特に後者は、実践的なことが豊富に書かれており、わかりやすく書かれていた。
そして、読んで行く中で、「まさしくその通りだ!」と感じる瞬間が何度もあった。
本書の中で、サーバントリーダーと、その対極にある傲慢なリーダーの特徴が描かれているのだが、前職の代表がまさしく後者のような人間だったのだ。
ワンマン社長のもとで、人がどんどん去っていく経験・・・
営業ができ、数字意識もしっかりと持ち、事業のことが分かる人間だったが、社員のことは全然大切にしないワンマン社長で、社員は目標達成のための「手段」のように接している人であった。
ベンチャー企業だったので、人手が足りない中みんな必死に業務をしているが、全然そこに対して思いやったり感謝したりということがない人間。もちろん、代表もめちゃくちゃ忙しいので、社員のことに向ける時間がなかったりする側面はある。ただ、それを差し引いてもあまりにも社員を大事にしない人であった。
そんな代表なので、みんなすぐに辞めていき、人の入れ替わりが非常に激しい(入社して半年も立たないうちに、自分は会社のコア事業部の中で社歴が最も長い中途社員になっていた...!)会社となっていた。しかも、辞めて行く人はほとんど代表と喧嘩別れで終わっていくという。
社員とそんな感じの代表でも、営業先のお客さんからは信頼されていて、しっかりと案件を獲得してきていた。前職はM&Aの仲介だったので、数値的な分析だけでなく、売り手と買い手の微妙な気持ちをはかりながら、調整していく繊細さが求められる仕事であった。
そういうことができるということは、人の気持ちもしっかり汲み取ることができる人のはずなのだが、社員に対してはほとんどそういった面の見られない人であった。むしろ、社員から何か聞かれても無視したり、真正面から向き合おうとせずにいるような人のように思えた。代表から出てくるのは雑で短い指示ばかり、といったような具合であったのだ。
どうすれば、うまくいくのだろう?
そんな環境で働いていたため、「お客さんには丁寧に対応、社員には粗雑に対応」する代表に対して、なぜこの人はこうなんだろう?と考える機会が多かった。
結局は代表の人間性の問題だと理解したのだが、それと同時に「お客さんを喜ばせるために、社員を働かせる」というようなスタンスだとうまくいかないのではないか、と感じてきていた。それだと、社員は単なる手段、駒として扱われるだけで楽しくないからである。そのような姿勢が、人材が定着しない理由のひとつに思えた。
では、どうすればいいか。それは、「社長が従業員を幸せにし、(幸せになった)従業員がお客さんを幸せにする」という考え方ではないか。そして、それが実現できるような、お客さんや周りの社員を幸せにすることに喜びを覚えるような人を中心に採用するべきでないか。そんなことを心の中で思っていた。
サーバントリーダーシップとの思想と重なった!
話をサーバントリーダーシップに戻そう。そんな考えを心の中に抱いていたのだが、まさしく、サーバントリーダーシップとはそのような姿勢を持つリーダーシップのことを指していたのだ!!
「奉仕するリーダーが成果を上げる! サーバント・リーダーシップ実践講座」の中には、サーバントリーダーシップを実践している企業の事例がいくつも書かれている。例えば、アメリカのサウスウエスト航空の「社員第一、顧客第二主義」の実践事例などが紹介されており、目から鱗であった。
サーバントリーダーシップの特徴とは?
筆者である真田氏は、サーバントリーダーシップを
- 大義のあるミッション・ビジョン・バリューを示す
- そのミッションやビジョン・バリューを遂行してくれるメンバーに奉仕する(気持ちを束ねたり、力を引き出したり、支援をする)
と整理している(同著P.193より)。奉仕するのがリーダーなのである。
もっと詳しく見ていきたいが、今日はここまでにしよう。
サーバントリーダーシップについては、また別途詳しくまとめたいと思う。